利用者への対応が一段落してから、まとめて記録を書く。日々のケアに追われ、記録はどうしても後回しになりがちで、残業の原因にもなりやすい——介護の現場ではよく聞く声です。記録はケアの質を支える大事な仕事ですが、「文章にする手間」だけでスタッフを疲弊させるのはもったいない話です。
この記事では、Claude Code(クロードコード)を使って、メモや音声から介護記録の下書きを作る方法を紹介します。ただし介護記録は個人情報の塊であり、事実の正確さも強く求められます。使える場面と、絶対に外せない注意点を、セットで見ていきましょう。
Claude Codeとは?介護記録での位置づけ
Claude Code(クロードコード)は、Anthropic社のAIを、パソコンのファイル操作と組み合わせて使えるツールです。開発向けの道具ですが、得意なのは「箇条書きのメモを、読める文章に整える」「文体をそろえる」こと。ここが記録の下書きと相性の良い部分です。
ただし大前提があります。介護記録は利用者の個人情報を含み、公的な証拠にもなる重要な文書です。だからAIはあくまで「下書きの補助」に留め、何を入力してよいかは施設のルールと使用する仕組みの規約を確認してから使うのが大原則です。まずはブラウザ版Claudeで小さく試すところから始めましょう。
介護記録でClaude Codeが支援できる場面
- 音声メモの文章化:ケアの合間に吹き込んだ内容を、記録の下書きに起こす
- 走り書きメモの整理:断片的なメモを、項目に沿って読みやすく整える
- 文体・用語の統一:スタッフごとにばらついた書き方を、施設の標準的な表現にそろえる
- 申し送り事項の要約:日々の記録から、申し送り事項や変化のあった点を要約する
- 新人向けの書き方ガイド:良い記録の例や、書き方のポイントを整理する
逆に、健康状態の判断や医療的な判断、事故・ヒヤリハットの事実関係などは、AIの文章をそのまま使わず、必ず担当者が事実を確認してください。記録はケアの根拠になるため、推測や誤りは許されません。
コピペで使えるプロンプト例
※実データを入れる前に、施設の情報管理ルールと利用プランの規約を必ず確認してください。
プロンプト例1(メモの整理)
「あなたは介護スタッフです。次のメモを、介護記録の下書きとして、事実を客観的に、読みやすく整理してください。推測で情報を足さないこと。項目は『時間帯/対応内容/利用者の様子/申し送り』。メモ:[具体名を含まない範囲で貼る]」
プロンプト例2(文体の統一)
「次の記録を、事実を変えずに、施設の標準的な書き方(客観的・簡潔・である調)に整えてください。内容の追加や解釈はしないこと。原文:[ここに貼る]」
プロンプト例3(申し送りの要約)
「以下の記録から、次の勤務への申し送り事項だけを、①共有したい変化②注意してほしい点、の2点で簡潔に抜き出してください。記録:[ここに貼る]」
ポイントは、「推測で補わない」「事実を変えない」を毎回明示すること。記録では、AIが良かれと思って情報を足すのは逆効果になります。
出力例(実際にはこんな下書きが返ってきます)
下は、上のプロンプトに匿名化したサンプルを入れて生成した例です。実際の出力は入力によって変わり、健康状態や事実は必ず担当者が確認してください。
プロンプト例1(メモの整理)の出力例
【時間帯】10:00頃
【対応内容】居室にて水分補給の声かけ、車いすでの移動介助
【利用者の様子】表情は穏やか。むせ込みは見られず。
【申し送り】午後の入浴前に、再度水分補給の声かけを推奨。
(実名は含めず、匿名化した想定の下書きです)
プロンプト例2(文体の統一)の出力例
(整える前)ごはんしっかり食べてた。
(整えた後)昼食は主食・副菜ともに全量摂取。摂取中のむせ込みは見られなかった。
プロンプト例3(申し送りの要約)の出力例
①共有したい変化:午前中、水分の摂取量がやや少なめ。
②注意してほしい点:午後はこまめに声かけを行い、摂取量を確認。
現場で安全に使うコツ
- 入力ルールを決める:実名や病名など、入力してよい情報の範囲を施設として明確にする
- 匿名化して渡す:可能なら利用者を「Aさん」などに置き換え、下書き後に人が戻す
- チェックを必須にする:AIの下書き→担当者が事実確認・修正、を必ず通す
- 小さく試す:まずは非公式な申し送りメモなど、リスクの低い部分から試す
「スタッフの負担を減らす」ことと「利用者の情報を守る」ことは、どちらも譲れません。安全な使い方の範囲を決めてから始めるのが、結局は近道です。
使うときの注意点
- 個人情報の保護:利用者の情報は機密性が高いです。入力可否は施設のルールと利用プランの規約を公式で必ず確認する
- 事実の正確さ:健康状態・医療・事故などの重要な記録は、AIの文章をうのみにせず担当者が事実確認する
- 判断は人が行う:医療的・専門的な判断をAIにさせない。記録の作成支援に留める
- 料金は要確認:プランや使用量で変わり、改定もあります。正確な料金は公式情報で確認を
よくある質問(FAQ)
Q. 個人情報を入力しても大丈夫ですか?
利用者の情報は機密性が高いため、入力は慎重に。匿名化して下書きを作り、具体名は人が戻す運用が安全です。入力可否は施設のルールと利用プランの規約を公式で確認してください。
Q. 記録をそのまま正式な記録として使えますか?
あくまで「下書きの補助」です。事実確認と修正を担当者が必ず行ったうえで、正式な記録として運用してください。
Q. パソコンが苦手なスタッフでも使えますか?
音声で吹き込む→AIが下書きに整える、と役割を分ければ、現場の負担を抑えられます。まずはブラウザ版で小さく試しましょう。
Claude Codeで介護記録の作成まとめ
介護の記録は、「事実を残す」ことと「文章に整える」ことを分ければ、後者はAIで負担を減らせます。Claude Codeは音声・メモの文章化、文体の統一、申し送りの要約に向いています。ただし介護記録は個人情報と事実の正確さが命です。入力してよい情報の範囲を決め、下書き→人の確認を必須にした上で、リスクの低い部分から小さく始めてみてください。
介護現場へのAI導入や、スタッフが無理なく使える進め方で迷ったら、まずは無料でご相談ください。

