社内マニュアル、業務手順書、操作ガイド…。これらは業務効率やナレッジ共有に欠かせない一方で、「作るのが面倒」「更新が続かない」といった課題も多く聞かれます。
実際、以下のような作業が積み重なることで、“マニュアル作成”は膨大な時間と労力を要します。
- スクリーンショットを手動で撮る
- 説明文を一つひとつ入力する
- 操作ステップを整理・番号付けする
- PDF化・共有の準備を整える
そんなマニュアル作成をAIで自動化してくれるのが「Tango」です。
Tangoとは何か?

Tangoは、Chromeブラウザ上で動作する拡張機能で、ユーザーのクリック操作を自動で記録し、スクリーンショット付きの操作手順書を即座に生成するツールです。
Tangoを使えば、あなたがいつも通り作業をするだけで、マニュアルが自動で完成。操作のたびにスクリーンショットが撮影され、ハイライト・ステップ番号・簡易説明文付きの手順ガイドが数分で出来上がります。
現在は無料プランから始められ、ProプランやEnterpriseプランを使えば、より高度な編集・共有・チーム運用にも対応。マニュアル作成業務の“最後の砦”を、AIで劇的に変える可能性を持ったツールです。
Tangoでできる主な機能・特徴
機能 | 概要 | 利点 |
---|---|---|
自動スクリーンショット+操作記録 | 「キャプチャ開始」ボタンを押して操作を行うだけで、クリックや入力のたびに自動で画面をキャプチャ | 手動キャプチャ不要、手順の抜け漏れを防止 |
ハイライト・番号付け・自動説明文 | クリック箇所が視覚的に強調され、ステップ番号も自動で付与。英語で簡易説明文も付属 | わかりやすいステップ表示で初心者にも親切 |
編集可能なガイド生成 | キャプチャ後に、説明文の修正・ステップの削除・ぼかし加工などが可能 | 後からの調整・カスタマイズが簡単 |
豊富な出力形式に対応 | HTML、Markdown、PDF、共有リンク、埋め込みコードなど多様な形式で出力可能 | 社内WikiやNotion、クライアント共有にも最適 |
チーム機能・フォルダ管理(有料) | ワークスペース内での共有、フォルダ整理、ユーザー管理が可能 | チームでの一元管理・バージョン管理に便利 |
Tangoの強みは、「ただ自動で作る」だけでなく、「後から編集して仕上げられる」柔軟さにあります。これにより、ドラフト生成から本格マニュアル作成まで、あらゆるレベルの業務に対応できます。
操作手順:Tangoを使ったマニュアル作成の流れ
Tangoは「操作するだけ」でマニュアルが作れる設計になっており、導入も非常に簡単です。以下に、初めての方でも迷わず使えるように、手順をわかりやすく整理しました。
① Chrome拡張をインストール
- Chrome Web StoreのTangoページにアクセス
- 「Chromeに追加」ボタンをクリックして拡張機能をインストール
- 拡張機能がブラウザ右上に追加されます
※Tangoの利用にはGoogleアカウントまたはメールアドレスでのアカウント作成が必要です(無料)。
② キャプチャを開始
- Tangoアイコンをクリックし、ダッシュボードを開く
- 「Capture Workflow」ボタンを押すと記録が開始されます
- 記録中は、クリック・入力・ページ遷移などの操作が自動で記録され、各ステップごとにスクリーンショットが撮影されます
操作を意識してスクリーンショットを撮る必要は一切なく、「普段通りに作業するだけ」でOKです。
③ キャプチャを完了し、編集画面へ
- 操作を終えたら、Tangoのポップアップで「Complete」をクリック
- 自動生成されたマニュアル(ワークフロー)が表示されます
この段階で、以下のような編集が可能です:
- ステップ名・説明文の修正(※初期は英語、自分で日本語に変更可)
- 不要なステップの削除
- スクリーンショットの差し替え・トリミング
- 機密情報(個人情報など)への**ぼかし加工(Blur)**追加
④ 保存・共有・エクスポート
- 編集が終わったら「Save Workflow」で保存
- 「Share & Export」メニューから、以下の形式で共有可能:
形式 | 説明 |
---|---|
リンク共有 | 誰でもURLでアクセス可能(閲覧のみ) |
HTML / Markdownコピー | 社内WikiやNotion、マニュアルシステムへの貼り付けに便利 |
PDFダウンロード | 紙マニュアル・添付資料として使用可能 |
Web埋め込みコード | 自社サイトやナレッジポータルに埋め込む場合に使用 |
Tangoは一連の操作をとにかくスムーズに設計しており、「録る→整える→共有する」までが10分以内で完了するケースも珍しくありません。
活用事例:Tangoが特に役立つ場面
Tangoはただの「操作記録ツール」ではありません。情報共有や教育、業務マニュアルの作成が必要なあらゆるシーンで、強力な業務支援ツールとして活躍します。以下に、実際の利用イメージをユースケース別に整理しました。
新人教育・オンボーディング
- 目的:業務の流れや社内システムの使い方を、わかりやすく伝える
- 活用方法:人事担当者や現場メンバーがTangoで操作を記録し、手順書を作成
- 効果:説明にかかる時間を削減。視覚的に理解できるため、定着率も向上
🔍 ポイント:操作通りに真似すればいいため、口頭やZoomだけでは伝わらない“細かい動き”まで伝わる
サポート・ヘルプデスク対応
- 目的:社内外からの「使い方がわからない」に対して、素早く的確に対応
- 活用方法:よくある質問に対するガイドをTangoで作成し、ナレッジベースに登録
- 効果:サポート対応の標準化/属人化解消。社内問い合わせの減少にもつながる
🔍 ポイント:「一度ガイドを作っておけば、何度でも使い回せる」資産として活用可能
社内ナレッジ共有・業務引き継ぎ
- 目的:個人が持っているノウハウを、チーム全体に展開する
- 活用方法:日々の業務フローをTangoで記録し、チームフォルダで共有
- 効果:退職・異動時のスムーズな引き継ぎ。ノウハウの属人化を防止
🔍 ポイント:ステップを文章で書き起こす必要がないので、“記録コスト”が限りなく低い
SaaS導入・操作マニュアル作成
- 目的:新たに導入したSaaSツールの使い方を社内展開
- 活用方法:IT部門が操作を記録し、ステップバイステップの手順書として配布
- 効果:全社員がツールを正しく使えるようになり、導入効果が最大化される
🔍 ポイント:PDFやHTML、Markdown形式で配布できるので、既存のツール・社内Wikiとの親和性も高い
このようにTangoは、**「操作の見える化」×「誰でも真似できる手順書」**を低コストで実現するツールとして、多様なビジネスシーンで活用できます。
無料プランと有料プランの比較
Tangoは無料で始められるにもかかわらず、かなり多機能なツールですが、より高度な活用を目指すなら有料プラン(Pro/Enterprise)の導入も検討に値します。ここでは各プランの主な違いを整理します。
無料プラン(Free)
内容 | 詳細 |
---|---|
価格 | 無料 |
ワークフロー数 | 最大25個まで |
ユーザー数 | 最大25人まで招待可能(閲覧のみ) |
キャプチャ範囲 | Chromeブラウザ上の操作 |
編集機能 | ステップ削除、説明文修正、ぼかし加工など可能 |
エクスポート | リンク共有、HTML、Markdown、PDF対応 |
ブランド透かし(Tangoロゴ) | あり(削除不可) |
✔ 個人利用・小規模チームには十分。まずはこのプランで体験してみるのがオススメ。
Proプラン(有料)
内容 | 詳細 |
---|---|
価格 | 月額約 $20 / ユーザー(年契約で約 $16) |
ワークフロー数 | 無制限 |
ユーザー管理 | 管理者権限・チームフォルダ・アクセス制御など |
キャプチャ範囲 | Chromeブラウザ + デスクトップアプリ(ブラウザ外操作も記録可) |
ロゴ削除 | Tangoロゴの透かしを除去可能 |
高度な編集 | ステップの並べ替え、ラベル付け、テンプレート機能 |
優先サポート | あり |
✔ 継続的にマニュアルを更新する、クライアント向けに資料提供する、チームで運用したい人向け。
Enterpriseプラン
- 機能:Proのすべて+SSO(シングルサインオン)、詳細なアクセス権管理、監査ログ、組織レベルのダッシュボードなど
- 価格:要問い合わせ(ユーザー数やニーズに応じて個別見積)
✔ 情報管理が厳しい企業や大規模組織での導入に向いています。
比較まとめ表
機能項目 | Free | Pro | Enterprise |
---|---|---|---|
価格 | $0 | $16〜20/月 | 要問合せ |
ワークフロー数 | 25 | 無制限 | 無制限 |
チーム共有・管理 | 制限あり | 強化 | 高度管理 |
キャプチャ範囲 | ブラウザのみ | デスクトップ対応 | 拡張対応 |
ロゴ削除 | × | ○ | ○ |
SSO対応 | × | × | ○ |
他ツールとの比較:Tangoは何が違うのか?
AIによるマニュアル作成ツールは複数存在します。代表的なものに Scribe、Loom、StepShot などがありますが、それぞれ目的や使い勝手が異なります。
ここでは、「どのツールを選べばよいのか?」を判断するために、Tangoとの比較ポイントを整理します。
Tango vs Scribe
項目 | Tango | Scribe |
---|---|---|
操作記録形式 | スクリーンショット+自動説明文 | 同様(Pro版は動画も対応) |
編集機能 | ステップ修正、画像トリミング、ぼかし加工 | コメント機能、動画編集(Pro) |
出力形式 | HTML、PDF、Markdown、埋め込み、共有リンク | 同様+動画(Pro) |
無料プラン | ステップ数制限あり(25まで) | 制限なしの共有が可能(動画除く) |
価格帯 | Pro:$16〜20/月 | Team:$12〜15/月、Personal:$23/月〜 |
特徴 | 操作の流れを「静的に、簡潔に」伝えるのが得意 | 動画+画像のハイブリッド形式に強みあり |
🔍 Scribeは動画説明に強く、Tangoはシンプル&構造的なガイドに強い印象です。
Tango vs Loom
項目 | Tango | Loom |
---|---|---|
主な形式 | 静的マニュアル(画像・テキスト) | 動画録画・プレゼン向け |
操作対象 | ブラウザ&PC操作 | PC全体、Webカメラ対応 |
使いどころ | 手順書、業務マニュアル | 社内報告、商品紹介、プレゼン録画 |
特徴 | 文書として残せる・構造的 | 動画で声・動きも伝えられる |
🔍 Loomは「動画で説明したい人」向け、Tangoは「文書で整理して伝えたい人」向けです。
Tango vs StepShot
項目 | Tango | StepShot |
---|---|---|
操作対象 | ブラウザ(Proでデスクトップ) | デスクトップ(Windows/Mac) |
出力形式 | PDF、HTML、Markdown、Web埋め込み | PDF、Word、HTML、PowerPointなど |
対象ユーザー | ビジネス現場・教育機関 | 企業向け(特に文書重視) |
価格 | Pro:$16〜 | 小規模でも月額$420〜と高価格帯 |
🔍 StepShotは企業のマニュアル制作専用ソフトに近く、高機能・高価格。Tangoは軽量で手軽に導入可。
比較まとめ
ツール | 得意な用途 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|---|
Tango | ステップ型マニュアル作成 | 軽量・即導入可能・無料でも多機能 | 業務マニュアルを迅速に作りたい人 |
Scribe | 動画+画像のハイブリッド | チーム内共有・操作解説に強い | 教育・サポート部門など |
Loom | プレゼンや録画中心 | 声と映像での説明に最適 | マネージャー・営業・CS担当者 |
StepShot | 詳細な文書化・報告用途 | オフライン対応・高機能 | 大企業・セキュア環境での利用者 |
注意点と導入時のヒント
Tangoは非常に便利なツールですが、使用にあたっていくつか留意すべき点があります。導入前に以下を確認しておくことで、失敗を避け、最大限の効果を引き出せます。
⚠ 英語UI・自動説明文は英語
Tangoのインターフェースおよび自動生成されるステップ説明文は基本的に英語です。日本語での操作は問題なくキャプチャできますが、説明文の日本語化は手動編集が必要になります。
💡 ヒント:生成後の編集画面で説明文を自由に書き換えられるため、最初から完璧を目指す必要はありません。
⚠ 無料プランの制限に注意
無料プランは非常に充実していますが、以下のような制限があります:
- 作成できるワークフロー数:最大25件
- ユーザー招待は閲覧のみ(編集不可)
- ロゴ透かし(Tangoロゴ)が削除できない
チーム運用やクライアント向けの資料には、有料プランの導入が現実的です。
⚠ プライバシー情報の取り扱い
キャプチャ中に表示された個人情報・機密情報がそのままスクリーンショットに残る可能性があります。編集画面での**ぼかし処理(Blur)**を忘れずに行いましょう。
まとめ:AIでマニュアル作成を「ラクに、速く、正確に」
マニュアル作成は、これまで「人の手」で丁寧に作り込む必要があり、“面倒だけど必要”な業務の代表格でした。
しかし、Tangoのようなツールが登場した今、マニュアル作成は「自分でやる」から「AIに任せる」フェーズに進みつつあります。
✅ Tangoが特に向いているのはこんな人
- 社内・社外向けの操作マニュアルを頻繁に作る
- 業務の引き継ぎや新人教育を効率化したい
- サポート業務でよくある質問をテンプレート化したい
- ナレッジ共有やSaaS導入の浸透を加速させたい
✅ 活用のコツ
- まずは無料プランで使ってみて、操作感を確認
- 操作内容は“いつも通り”でOK。後から編集も可能
- 共有形式はHTML/PDF/Markdownなど多様に対応
- チーム利用ならProプランでワークフローの一元管理を
マニュアル作成にかかる時間と手間を削減しつつ、品質を落とさない――
そんな理想を実現するツールが、Tangoです。
今すぐ、Tangoを使ってあなたの「手順書作成」の在り方をアップデートしてみませんか?