2025年、GoogleのAI戦略における大きな転換点となったのが、「Gemini Labs」の登場です。
今までは「AIと会話する」という体験が主だったGeminiが、“自分だけのAIアプリを作って業務を自動化する”という実用フェーズへと進化しました。
その鍵を握るのが、実験的機能として登場した Opalの統合です。
この組み合わせによって、コードを書かずにAIアプリ(Gems)を構築できる時代が始まっています。
この記事では、「Gemini Labsって何?」「どんなことができるの?」「どうやって使うの?」と気になっている方向けに、機能の全貌と使い方をわかりやすく徹底解説します。
Gemini Labsとは?何ができる場所なのか
Gemini Labsは、Googleが提供する生成AIの「実験機能プラットフォーム」です。
新しい機能やプロトタイプがこのLabsで先行公開され、ユーザーは一足早く試すことができます。
その中でも、特に注目されているのが OpalによるAIミニアプリ作成機能です。
従来の「チャット型AI」の枠を超えて、ノーコードで業務に役立つツールを構築・実行・共有できるようになります。
具体的には…
- テキストで指示するだけでAIアプリを作成
- 作成したアプリは「Gems」として保存・再利用・共有可能
- Web上で完結、インストール不要
- GmailやGoogle Driveとの連携で実務に即応
という、“非エンジニアでも業務効率化ができる”環境が用意されているのです。
Opalとは?自然言語でAIを組み立てる「Vibe Coding」
OpalはGoogle Labs発のプロジェクトで、「やりたいことを“雰囲気”で伝えるだけでAIがアプリを構築してくれる」という革新的な機能を提供します。
このプロセスは「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」と呼ばれています。
どうやって動くの?
- やりたいことを自然言語で入力
- 例:「YouTubeのURLを渡したら要約して、関連ニュースも調べて、ブログ案を出して」
- AIが必要な処理ステップを自動で設計
- ステップ:URL入力 → 内容要約 → Web検索 → 記事構成案生成
- 視覚的なワークフローエディタで調整可能
- まるでフローチャートのように、処理内容や順序を編集できます
- プレビュー・テスト後、そのまま実行&共有可能
ポイントは「一切コードを書かなくていい」こと
しかも、AIが提案するワークフローは再利用できる資産になります。
今まで「AIは一回きりの会話で終わる」という人も、Gemsという形で自分専用ツールとして使い続けられるようになります。
【図解】Gemini Labsの使い方:5ステップでミニアプリを作る
1. Geminiにアクセスして「Labs」タブを開く

GeminiのWeb版にログインすると、左側に「Gems」や「Labs」のタブが表示されます。
そこから「Create a new Gem」や「Labsで作る」オプションを選びます。
2. 「やりたいこと」をそのまま入力
例えば…
「CSVを読み込んで売上ランキングを自動で出力し、Google Sheetsに保存するツールを作って」
などの日本語入力も、Opalが理解してワークフローを組み立ててくれます。
3. ノードエディタで中身をチェック&編集
各ステップ(ノード)はドラッグ&ドロップで並び替えや編集ができます。
- 入力:テキスト・ファイル・画像など
- 処理:Geminiによる要約・分析・検索など
- 出力:テキスト、表、Google Sheets など
4. プレビュー&テスト実行
その場で動作確認ができるので、出力内容をチェックして調整可能。
エラーが出た場合も、どのステップで止まっているかが視覚的にわかります。
5. 保存・共有
作成したアプリはMy Gemsに保存され、
必要に応じてリンク共有も可能。チームメンバーと分担利用もできます。
どんな人におすすめ?活用シーンは無限大
| ユーザータイプ | 活用例 |
|---|---|
| マーケター | ブログ・SNS・ニュースレターの自動作成 |
| 営業担当 | 顧客ごとの提案資料生成、メールドラフト |
| 人事・総務 | 採用スクリーニング、面接資料の作成 |
| 学生・研究者 | 論文要約、自動レポート作成 |
| 教育関係者 | 授業用教材の生成、クイズ作成 |
「非エンジニアでもAIを“持つ”時代へ」
この変化を誰よりも早く体験できるのが、Gemini LabsとOpalの統合によるミニアプリ制作です。
注意点と今後の展望
- 2025年12月現在、Labs機能は一部の環境(主に英語・PC)限定
- データの扱いには要注意(機密データは控える)
- 今後、スマートグラス連携やスマホ対応なども見込まれる(Project Astraとの連動)
まとめ:Gemini LabsでAIアプリを「自作」できる時代が始まった
Gemini Labs × Opalの登場は、
AIとの関係性を「使う」から「作る」へと進化させました。
- 自然言語でAIアプリが作れる
- ワークフローを視覚的に設計・編集できる
- 繰り返し使える「自分だけのAIツール」が簡単に作れる
もはや「AIを使いこなすスキル」ではなく、
「AIを持つ」こと自体が、新しい競争力になる時代です。
まずはLabsにアクセスし、自分の仕事を変える最初のGemを作ってみましょう。

