ChatGPT エージェントとは?活用方法やビジネス現場での活用事例を徹底解説

2025年7月17日、OpenAIは既存のChatGPTにエージェント機能を統合した新機能「ChatGPT Agent」を発表しました。

従来のChatGPTは対話による情報生成が中心でしたが、今回の機能ではAIが仮想コンピューター上で自律的に行動し、ウェブ検索・分析・フォーム入力・資料作成など複雑なタスクを一気通貫で実行できるようになっています。

この機能によってAIの役割は“会話相手”から“作業代行者”へと拡大し、ビジネスの生産性向上が期待されています。

ChatGPTエージェントとは何か – 従来版との違い

ChatGPTエージェントは、既存のブラウザ操作特化エージェント「Operator」と、深い情報収集・分析を行う「deep research」、そしてChatGPTの会話能力を一つに統合したエージェントシステムです。

エージェントは独自の仮想コンピューター環境を持ち、ユーザーの指示に基づいてウェブ上の操作、コード実行、データ分析を自律的に行います。

例えば「カレンダーを確認して最近のニュースに基づきクライアント会議のブリーフィングを作成してほしい」「競合他社3社を分析してスライドショーを作成してほしい」といった依頼に対し、AIが必要な情報を収集し、要約や資料作成まで完了させます。作業中はナレーション形式でプロセスが表示され、ユーザーが途中で介入したり停止することも可能です。

ChatGPTエージェントの「立ち上げ方」⁠— 最短 60 秒でオンにする手順

手順操作備考
1. 新しいチャットを開くWeb版/デスクトップ/モバイルの ChatGPT で「+ New chat」をクリック現在Pro・Team プランで利用可
2. ツールメニューで
「Agent mode」を選択
画面下部の Tools ドロップダウン → Agent をクリック途中の会話からでも切り替え可能
3. あるいは /agent を入力メッセージ欄に /agent とタイプ → EnterModel プルダウンに「ChatGPT Agent」が追加されている場合もあります
4. タスクを指示例:「競合3社を分析してスライドを作って」
「来週の会議準備をして」
以後、AI が仮想 PC 上で検索・クリック・要約・資料化まで自律実行
5. 進行をモニタリング画面右側に処理のナレーションが表示されるので
必要に応じて Pause / Stop / Take over
途中で入力を修正したり、手動操作に切り替え可能

ChatGPTエージェントの現在使えるプランと利用上限

プラン提供状況月間タスク上限補足
Pro7 月 17 日より提供開始400 タスク/月料金は従来の Pro と同じ
Plus / Team同日より順次展開不明UI は共通。Team は管理者がコネクターを一括設定可
Enterprise / Education2025年7月内に公開予定未発表(上限なしの見込み)SSO・監査ログ・専用サポート付き
Free非対応エージェント機能は表示されません

ChatGPTエージェントの技術的な仕組みとカスタマイズ性

エージェントは専用の仮想コンピューター上で動作し、以下の主要ツールが統合されています。

ツール概要出典
ビジュアルブラウザ人間が見るのと同じ形でウェブサイトを表示し、スクロールやクリックを自動実行する。OpenAI公式
テキストブラウザシンプルなクエリを高速処理するテキストベースのブラウザ。OpenAI公式
ターミナルPythonなどのコードを実行し、データ処理や分析を行う。OpenAI公式
APIアクセス外部サービスのAPIから金融データやスポーツスコアなどを取得する。OpenAI公式

これらのツールは状況に応じて自動的に選択され、単一チャットの文脈を共有しながらタスクが進行します。
さらに「ChatGPTコネクター」を使うと、GmailやGoogle Driveなど外部アプリに接続してメールの要約やファイル検索を行えます。

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ProユーザーとChatGPT Team/Enterpriseでは、自社システムやサードパーティーアプリと連携するカスタムコネクター(Model Context Protocol対応)を追加することも可能です。

スケジューリング機能も備わっており、たとえば「毎週月曜日の朝に週次メトリクスレポートを生成してほしい」という定期タスクを設定すると、エージェントが自動的にレポートを作成・提供します。

ChatGPTエージェントの営業(セールス)での活用例

自動化できる主なタスク何が起きる?使いどころ
① 顧客リサーチ & 会議準備指示例:「○○社の最新ニュースと決算要約を箇条書きで」→ AI がウェブ検索 → 重要トピックを整理 → スライドorメモを生成初回商談・役員同席ミーティングのブリーフィング資料作成
② 競合分析 & 提案資料例:「競合3社を比較し、自社優位性を示すスライド作成」→ 価格・機能・事例を自動表組み/グラフ化 → PPT 書き出し提案書の“骨格”を AI が作り、人間はメッセージ磨き込みに専念
③ 営業リスト作成(新規リード発掘)例:「日本のSaaS企業で売上10億円以上の会社をリストアップし、URL・代表メールを表にして」→ 企業データベース/ニュース/IR 情報をクロール → CSV/スプレッドシート化新規テレアポ・メールマーケ用リード生成、ターゲット企業の絞り込み
④ 事務作業の自動化例:「今日追加したリードをHubSpotに登録して」「会議日程を関係者と再調整して」→ Gmail/カレンダー/CRM コネクター経由で自動入力・メール送信データ入力・リマインドメール・スケジュール調整などの雑務削減

ポイントは「一次情報集め→整理→フォーマット」まで任せること。
営業は“戦略と人間関係”に集中し、AI は情報労働と単純作業を担当する――これが ChatGPT エージェントを使った最短ルートです。

ChatGPTエージェントのマーケティングでの活用例

自動化できるタスク何をしてくれる?どんな時に便利?
① 市場リサーチ & トレンド分析deep research が複数メディア/業界レポートをクロール → 主要トレンド・KPI・競合動向を要約し、箇条書き+グラフ付きレポートを出力新規施策の企画書やCレベル向けの市場説明資料を“数時間→数分”で作りたい
② コンテンツ制作(記事・スライド)収集データをもとにブログ草案やプレゼン資料を自動生成。スライドは編集可能なベクター形式で渡されるので後からデザイン調整が簡単オウンドメディアの記事量産、社内外プレゼンのたたき台づくり
③ 定期レポートの自動更新API/コネクターで GA4・SNS・CRM 指標を取得 → 月次や週次フォーマットに反映し、最新数値+グラフを差し替え月次マーケティングKPIレポートやダッシュボード更新のルーチン業務

要点

  1. 「一次情報収集 → 要約 → 体裁整え」まで丸ごと任せると、マーケターは戦略立案やクリエイティブへ集中。
  2. スライド出力のおかげで、生成後のデザイン修正も楽。
  3. 毎月同じフォーマットで提出する定期レポートは“スケジュール登録するだけ”で自動化でき、人手ゼロ運用が可能。

ChatGPTエージェントの戦略立案・業務オペレーションでの活用例

経営企画やバックオフィスの業務でもエージェントは効果を発揮します。

自動化領域具体的にやること期待できる効果
① 新規事業・競合リサーチ指定業界/企業のニュース・レポートを deep research で横断収集 → 要点をエグゼクティブサマリーに自動整理“調査→要約→資料化”にかかる時間を丸ごと短縮、意思決定の初動が速くなる
② 定例業務の自動化週次・月次レポート作成、会議資料のドラフト、カレンダー読み取りと招待メール送信をスケジュール登録だけで自動生成ルーチン作業ゼロ化 → 担当者は分析・戦略検討に集中
③ データ処理・分析の高速化仮想ターミナル上で Python を実行し、財務データや業務 KPI を取り込み → 集計 → グラフ付きスプレッドシートを出力コード・表計算・可視化をワンストップで完了、レポート作成を「数時間→数分」に

まとめポイント

  • 調査系:deep research が資料&ニュースを網羅、サマリーまで自動で出るので企画書の下ごしらえが一瞬。
  • ルーチン系:週次/月次レポートや会議資料は「タスクをスケジュール」に登録すれば以後は放置で OK。
  • データ系:Python ターミナルで財務・KPI 処理→グラフ化→シート反映まで自動。数字好きの経営陣へ即共有。

ChatGPTエージェント導入で得られる 4 大メリット

メリット具体的にどう効く?
① 時間短縮 & 生産性向上調査・分析・資料化といった複数工程を“ひと声”で自動実行。人は戦略や顧客コミュニケーションに専念できる
② 複雑なマルチステップタスク遂行検索→分析→資料化→共有までを一気通貫で処理しつつ、必要に応じて途中介入・修正も可能
③ ツール統合による一貫成果物ブラウザ操作・API連携・Python実行がシームレスに連携し、スライドや表は編集可能なベクター形式で出力
④ 高性能モデルによる精度Humanity’s Last Examで43.1%達成、SpreadsheetBenchでは従来SOTAの約2倍──データサイエンス系タスクでも人間アナリスト級の成果

まとめ

  • 時間を生む:資料作成・レポート作業が“自動運転”になり、担当者の手離れが大幅向上。
  • 工程をつなぐ:AI がワンストップで実行し、人は要所でチェックするだけ。
  • 成果物が使いやすい:後から編集しやすい形で出力され、そのまま社内外へ展開可能。
  • モデル精度が担保:最新ベンチマークでも従来モデルを凌駕する性能で、安心して高度な分析を委任できる。

留意すべき課題と制限

利便性の高いエージェントですが、ビジネスで活用する際は以下の点に注意が必要です。

リスク/制限具体的に気をつけること
1. 初期段階ゆえの不完全さ– スライド生成はまだベータ版。レイアウトや体裁が粗い場合があるため、最終仕上げは人間でチェックする。
– 複雑タスクでは回答ミスも想定し、重要資料はダブルチェックする。
2. ユーザー確認 & 安全設計– フォーム送信・購入など影響大の操作を実行する前に必ず確認ダイアログが出る。
– 監視モードでは各ステップで承認が必要。
– プロンプトインジェクション対策や不正リクエスト拒否が組み込まれているが、高リスク依頼は実行不可になることもある。
3. プラン・地域による利用制限Pro:ほぼ無制限Plus/Team:現状不明
– エージェント機能は有料プラン限定。
– EEA・スイス等では提供準備中で、コネクターも一部利用不可。
4. カスタムコネクターの慎重運用– MCP対応のカスタムコネクターはOpenAI未検証
– 開発者が自社用に追加する場合、信頼できるアプリのみ接続し、権限を最小化する。

まとめ

  • β版=完璧ではない:自動生成アウトプットは必ず人の目で仕上げ。
  • 安全柵が多い:重要操作は確認必須、リスクのある要求は拒否される。
  • プラン/地域を確認:試す前に自社ユーザー区分と地域制約をチェック。
  • カスタム連携は自己責任:MCPコネクター追加時はセキュリティポリシーを徹底。

まとめ – AIは“パートナー”の時代へ

ChatGPTエージェントは、これまで対話中心だったAIを“自ら行動するエージェント”へと進化させる画期的な機能です。
仮想コンピューターと豊富なツールの組み合わせにより、調査から分析、資料作成、タスクの自動実行まで幅広い業務を代行します。

AI を“パートナー”に昇華させる鍵は、最初の導入設計と現場へのフィット感にあります。MoMoでは、ChatGPTエージェントを 「自社の仕事フローにどう根付かせるか」 をテーマに、完全無料のオンライン相談を実施中。

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  • セキュリティ/ガバナンス面のチェックポイント
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この記事を書いた人

株式会社MoMoの広報担当、桃乃愛です。
AIに関する知識や活用法、AI時代に求められるマインドセット、AI時代のキャリアやスキルアップのヒントなどを発信中!
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