Notionが、ついに「自ら考え、動く」フェーズに到達しました。
2026年2月に発表された「カスタムエージェント」は、これまでのAIとは全く異なります。あなたが寝ている間も、会議をしている間も、Notion内のデータを巡回し、Slackで報告し、タスクを整理してくれる。そんな「24時間働くデジタル部下」が、あなたのワークスペースにやってきます。
本記事では、Notionのカスタムエージェント機能があなたの仕事をどう変えるのか、そして今日からどう使いこなすべきかを、徹底的に分かりやすく解説します。
Notion AIと「カスタムエージェント」の決定的な違い
「これまでのNotion AIと何が違うの?」
まず、この疑問を解消しましょう。一言で言えば、「あなたが呼ぶのを待つか、勝手に動くか」の違いです。
| 特徴 | 従来のNotion AI (Q&A・執筆) | カスタムエージェント |
| 動作の起点 | ユーザーの操作(クリックや質問) | トリガー・スケジュール(自動) |
| 役割 | 優秀な文房具・アシスタント | 自律して働く「チームメンバー」 |
| 作業範囲 | 目の前のページや質問への回答 | ワークスペース全体・Slack・メール等 |
| 稼働時間 | あなたがNotionを開いている時だけ | 24時間365日、バックグラウンドで |
これまでのAIは、あなたが「これ要約して」「このデータ探して」と命令して初めて動くものでした。しかし、カスタムエージェントは「毎週月曜の朝9時に、先週の進捗をまとめてSlackに送っておいて」という指示を一度出せば、あとは二度とあなたを煩わせることなく、その仕事を完遂し続けます。
劇的に仕事が楽になる「3つの神エージェント」活用例

カスタムエージェントで何ができるのか。代表的な3つの活用シナリオを見ていきましょう。
① 問い合わせ・Q&Aエージェント(即時回答)
社内のマニュアルや過去の議事録を全て学習し、SlackやNotion上で飛んできた質問に即座に回答します。
・メリット: 「あの資料どこですか?」という不毛な質問に答える時間がゼロになります。
・動作例: Slackで「経費精算の締切は?」と聞かれると、エージェントがNotionの規定を探し、最新のルールを回答します。
② タスク・トリアージエージェント(仕分けの達人)
溢れかえるタスクやバグ報告を、内容に応じて自動で分類し、適切な担当者に割り振ります。
・メリット: リーダーが毎朝行っていた「タスクの交通整理」が不要になります。
・動作例: 問い合わせフォームに「ログインできない」と投稿されると、エージェントが「緊急・エンジニア担当」と判定し、データベースのプロパティを書き換えます。
③ ステータス報告エージェント(自動レポート)
複数のプロジェクトページを巡回し、進捗状況を要約して定期レポートを作成します。
・メリット: 金曜日の夕方に必死で週報を書く必要がなくなります。
・動作例: 毎週金曜17時に、その週に完了したタスクと、来週の懸念点を1つのページにまとめ、チームのチャンネルに投稿します。
【実践】カスタムエージェントを作る「3つのステップ」

カスタムエージェントの作成に、プログラミングは一切不要です。
1. エージェントの定義(Role):
「あなたは何の担当者ですか?」を自然な日本語で入力します。(例:あなたはカスタマーサポートのリーダーです。過去の対応履歴を元に回答してください。)
2. トリガー(Trigger)の設定:
「いつ動くか」を決めます。
* イベントベース: 「データベースに新しいページが追加された時」など
* スケジュールベース: 「毎日午前9時」「毎週月曜日」など
3. アクション(Action)の設定:
「何をするか」を決めます。(例:ページの内容を要約する、Slackにメッセージを送る、データベースのステータスを更新する。)
これだけで、あなた専用のエージェントが完成します。「中学生に説明するような言葉」で指示を書くことが、賢いエージェントを作るコツです。
導入前に知っておくべき「コスト」と「リスク」
非常に強力な機能ですが、注意点もあります。後悔しないために、以下の2点は必ず押さえておきましょう。
① 「クレジット制」のコスト管理
カスタムエージェントは、作業量に応じて「Notionクレジット」を消費します。
・ベータ期間中: 現在(2026年3月時点)、BusinessプランおよびEnterpriseプランでは2ヶ月間無料で試せます。
・その後: 実行回数やデータの処理量に応じて課金が発生する仕組みです。無限に自動実行させると、思わぬコストになる可能性があるため、無駄なトリガー設定は避けましょう。
② セキュリティと権限の管理
エージェントには「誰の権限で動くか」を設定できます。
・個人用: あなたが見れる情報だけを処理します。
・共有用: チーム全員がアクセスできる情報に基づきます。
もし、機密情報が含まれるデータベースを読み取る権限をエージェントに与え、それを誰でも見れるSlackチャンネルに出力するように設定してしまうと、情報漏洩に繋がります。「そのエージェントに何を見せていいか」は、人間であるあなたの管理責任です。
競合AIツールとの比較表
Notionカスタムエージェントと、他の自動化ツールの違いを整理しました。
| ツール | 特徴 | 向いている人 |
| Notionカスタムエージェント | Notion内で完結。設定が極めて簡単。 | Notionを社内の主戦場にしているチーム |
| Zapier / Make | 数千のアプリを連携可能。複雑。 | Notion外のツールを高度に組み合わせたい人 |
| ChatGPT (GPTs) | 汎用的な知識が豊富。 | 個人の壁打ちや、外部知識が必要な作業 |
結論: すでにNotionにナレッジが溜まっているなら、カスタムエージェント以外の選択肢はありません。情報の「場所」と「処理」が同じ場所にあることのスピード感は圧倒的です。
MoMo’s Insight:ツールを使う人から「指揮官」へ
カスタムエージェントの登場は、私たちの働き方に決定的なパラダイムシフトをもたらします。
これまでの「仕事が速い人」とは、キーボードを叩くスピードが速い人や、ツールの操作に習熟した人でした。しかし、これからは「AIにどんな権限を与え、どの業務を切り出して任せるか」というマネジメント能力こそが、個人の市場価値を決めます。
Notionはもはや「メモ帳」ではなく、あなたの指示を待つ「デジタル組織」の司令塔です。まずは、あなたが毎日行っている「コピペ作業」や「進捗確認」を一つだけ選んで、エージェントに任せてみてください。その瞬間、あなたは「作業員」から「指揮官」へと進化するはずです。
Notionのカスタムエージェントまとめ
・カスタムエージェントは「自律型AI」。 あなたが操作しなくても、設定通りに勝手に働いてくれる。
・ユースケースは無限。 問い合わせ対応、タスク仕分け、週報作成など、ルーチンは全て任せられる。
・作成はノーコード。 役割、トリガー、アクションを日本語で指定するだけ。
・コストと権限に注意。 クレジット消費の把握と、見せていい情報のコントロールが運用の鍵。
まずは無料ベータ期間中に、小さなルーチンを1つ、エージェントに「外注」することから始めてみましょう。空いた時間で、あなたにしかできない「もっとクリエイティブな仕事」に取り組むために。

