「企画書に載せるフローチャートを作るのが面倒…」「手書きのアイデアスケッチを簡単にデジタル化したい」—そんな悩み、実はツールの“かけ算”で一瞬で解消できます。
デザインツールFigmaと対話型AIのChatGPTを連携させれば、これまで数十分かかっていた図解作成が“指示ひとつ”で数分に。資料作成の時間を大幅に短縮できるんです。
この記事では、2025年10月に登場したChatGPTの新機能「Apps in ChatGPT」を使ったFigma連携を、初心者にも分かりやすく解説します。
以下の内容が一気に分かります:
- ChatGPTとFigmaの連携で何ができるか
- 連携のための具体的な設定手順
- フローチャートやガントチャートを自動生成するプロンプト例
- デザイナー/開発者/ビジネスパーソン別の活用アイデア
- メリット・デメリットと注意点
デザインスキルに自信がない方でも「見栄えの良い図解」がスピーディに作れるようになります。ぜひ最後までチェックして、あなたの業務効率を一歩進めましょう。
ChatGPTとFigmaの連携とは?「Apps in ChatGPT」の基礎知識
まず、「Apps in ChatGPT」が何なのか、その核となる仕組みを確認してから、連携によって何が可能になるかを見ていきましょう。
Apps in ChatGPTとは
Apps in ChatGPTは、OpenAIが2025年10月6日に発表した新機能です。これは、ChatGPTのチャット画面内から、Spotify・Canva・Figmaなどの外部アプリを直接呼び出して操作できるという画期的な仕組みです。
従来「プラグイン」「GPT s」など拡張の手段はあったものの、Apps in ChatGPTはそれらよりも“アプリケーションとして使える”レベルに近づいています。つまり、ChatGPTとの対話を通じてそのままFigmaで図を生成・編集する体験が可能になったわけです。
ChatGPTとFigmaを連携するとできること
この連携の最大の魅力は、ChatGPTと自然に会話しながら、Figma(特にFigJam)上で図を自動生成できること。例えば、ホワイトボードに描いた手書きスケッチを写真でアップロードし、そのままフローチャート化する――そんな“魔法”が現実になっています。
具体的には、以下のような図が作れます:
| 図の種類 | 英語名 | 主な用途 |
|---|---|---|
| フローチャート | Flow Chart | 業務プロセス/意思決定フローの可視化 |
| ガントチャート | Gantt Chart | プロジェクトスケジュール管理/タスク進捗 |
| シーケンス図 | Sequence Diagram | システム/オブジェクト間のやりとりを時系列で表現 |
| ステート図 | State Diagram | オブジェクトの状態変化をモデル化 |
生成後の図は、チャット画面でプレビューできるだけでなく、チャット中に「Edit in Figma」ボタンをクリックすれば、Figma(FigJam)上で即編集・共有が可能になります。
利用可能な料金プラン
このFigma連携機能、多くの場合無料プラン(ChatGPT Free・Figma Free)から利用可能です。
- 対応プラン:Free/Plus/Pro など
- 日本からも11月時点で利用できる報告あり
- 企業向けBusiness/Enterpriseプラン対応は2025年後半以降が想定
つまり、「まずは試したい」「コストをかけずに始めたい」方でも安心してチャレンジできます。
ChatGPTとFigmaを連携する設定方法【画像付き解説】
それでは、実際に連携を始めるための手順を分かりやすくまとめます。数分で完了するので、軽やかに進めましょう。
事前準備
まず、以下のアカウントを準備しておきます(どちらも無料でOKです):
- ChatGPTアカウント
- Figmaアカウント
連携手順(ステップバイステップ)

PCブラウザ版を前提に説明しますが、手順はスマホでもほぼ同じです。
- ChatGPTにログイン → 左下アカウント名クリック → Settingsを選択。
- 設定メニューから 「Apps & Connectors」 をクリック。
- 「Available apps」の中から Figma を探し、「Connect」ボタンを押します。
- Figmaの認証画面が表示されるので、自分のFigmaアカウントでログインし、「Allow access」をクリック。
- ChatGPTに戻り、「Connected(接続済み)」と表示されていれば完了です。
チャットから直接連携する方法
もう少しスムーズにやりたいなら、チャット画面から直接操作も可能です:
- プロンプト入力欄に「Figma 」と入力(“Figma”のあとに半角スペースを入れるのがコツ)。
- 表示されたFigmaアイコンをクリックして連携開始。
- 初回は認証画面が出るので、許可処理を行ってください。次回以降は認証不要になります。
以上で、ChatGPTとFigmaが“仲良し”になりました。あとは好きな図を“話しかけて”生成しましょう。
ChatGPT×Figma連携の実践的な使い方
連携ができたら、実際に図を作ってみましょう。ここからは、“使える”流れと、プロンプトの書き方のコツを説明します。
基本的な使い方
流れはとてもシンプル:
- プロンプト入力 – 「Figma」でアプリ呼び出し→図を作りたい指示を書く。
- 図の生成 – ChatGPTが図を作成し、チャット内で表示。数十秒かかることあり。
- プレビューと修正 – 図を確認し、修正があれば「この部分を〜に変更して」と指示。
- Figmaで開く – より詳細編集が必要なら「Edit in Figma」ボタンをクリックしてFigma編集画面へ。
効果的なプロンプトの書き方
精度を上げるには、以下のポイントを意識してください:
- 具体的な指示を出す:「図を作って」ではなく「ユーザー登録からログインまでのフローチャートを作成して」のように。
- 図の種類を明示:「ガントチャート」「シーケンス図」など。
- 要素と関係性を整理する:含めるノード/矢印の向き/条件分岐などを先に伝える。
プロンプト例
例1:シンプルなフローチャート
Figmaで、以下の手順のフローチャートを作成してください。
1. ユーザーがサイトにアクセス
2. 「会員登録」ボタンをクリック
3. メールアドレスとパスワードを入力
4. 利用規約に同意して「登録」ボタンをクリック
5. 登録完了ページに遷移
6. 登録完了メールが送信される
例2:条件分岐を含むフローチャート
Figmaを使って、ECサイトの購入フローを条件分岐を含めて図解してください。
- スタート: 商品ページ
- 「カートに入れる」をクリック
- カートページへ
- 「購入手続きへ」をクリック
- ログインしているか?
- Yes: 配送先選択へ
- No: ログインページへ→ログイン後配送先選択へ
- 配送先を選択
- 支払い方法を選択
- 注文確定
- サンクスページへ
- エンド
例3:プロジェクトのガントチャート
Figmaで、Webサイト制作プロジェクトのガントチャートを作成してください。
- 期間: 2025年12月1日〜2026年1月31日
- タスク一覧:
- 要件定義: 12/1 - 12/7
- デザイン制作: 12/8 - 12/21
- フロントエンド開発: 12/22 - 1/15
- バックエンド開発: 12/22 - 1/20
- テスト: 1/21 - 1/27
- 公開: 1/28
ファイルアップロードの活用
この連携機能で“差が付く”ポイントの一つが、画像/PDFのアップロードです。
- 手書きスケッチのデジタル化:ノートやホワイトボードに描いたラフをスマホで撮影し、「このスケッチをFigmaで清書して」と指示。
- 既存資料の視覚化:WordやPDFで作成された業務マニュアルをアップロードし、「この内容を図にして」と依頼。構造化された図が出てきます。
この流れを取り入れれば、アイデア出し → 図解作成 →チーム共有までが“ほぼワンタップ”になります。
職種別・シーン別の活用事例
では、実際に「どんな人が何に使えるか」を職種別に紹介します。あなたの立ち位置に合った使い方をイメージしてみてください。
デザイナー向け活用法
- スケッチからダイアグラムへ:ホワイトボードで描いたUIフローやサイトマップをそのままFigJamで共有。
- アイデアの視覚化&共有:打ち合わせ中に出たアイデアを即ChatGPTに入力→フローチャート生成→即レビュー。
- デザインレビュー効率化:複雑なインタラクションをシーケンス図で可視化し、エンジニアとすぐ共有。
開発者・エンジニア向け活用法
- システムアーキテクチャ図:仕様書PDFをアップロードし、「この構成図を作成して」と依頼。
- コンポーネント構造の図示:画面スクリーンショットを基に「Reactコンポーネントの依存関係図を作って」と依頼。
- 技術面接資料の準備:マイクロサービス構成を説明する図を短時間で作成。
プロジェクトマネージャー向け活用法
- プロジェクト計画ガントチャート作成:タスク・期間・担当者を伝えるだけで、ガントチャート生成。
- ユーザージャーニーマップの作成:ペルソナと行動シナリオを入力して、ジャーニーマップ図を生成。
- 意思決定フローの整理:複数条件が絡むフローをフローチャートで視覚化し、関係者の理解を揃える。
ビジネスパーソン向け活用法
- プレゼン資料の図解作成:ビジネスモデルや業務フローを箇条書きでChatGPTに渡し、図解を生成。
- 業務フローの可視化:新入社員向け研修資料として業務フローを図示化し、理解促進。
- 会議議論の整理:議事録を基に「議論→決定→次のアクション」の図を生成し、参加者共有。
ChatGPT×Figma連携のメリットとデメリット
この連携機能のポテンシャルは非常に高いですが、理解しておくべき“使いどころ”と“留意点”もあります。
メリット
- 図解作成にかかる時間を大幅に短縮
- デザインスキルがなくても、見栄えの良い図が作れる
- ChatGPTとの自然な対話で操作でき、新ツール学習コストが低い
- 無料プランから試せるハードルの低さ
- AIで生成→Figmaで細かく編集、というハイブリッドな流れが可能
デメリット・注意点
- 複雑な図になると一発で完璧にはならず、手動修正が必要な場合あり
- 日本語プロンプトでは、英語より解釈精度がやや低いケースあり(シンプルな指示推奨)
- 機密情報を含む図解を生成する際は、クラウドAIサービスの利用ポリシー・社内セキュリティを要確認
- ChatGPTの「Temporary Chat(一時チャット)」モードではApps機能が使えない
- 地域・プランによって機能提供状況が異なる可能性あり
FigmaプラグインやFigJam AIとの違い
「FigmaでAI使えるプラグインもあるし、似てるんじゃない?」と思われるかもしれません。ここで違いを整理しておきましょう。
Figmaプラグイン(例:Figma GPT等)との違い
- Apps in ChatGPT:ChatGPTの画面内で完結。アイデア出し → 図生成まで一気に。
- Figmaプラグイン:Figmaの画面内で使う補助ツール。既にFigma操作中の人には便利。
どちらも有用ですが、「ChatGPTでアイデアを出して、そのまま図解までいきたい」ならApps in ChatGPTがおすすめです。
FigJam AI単体との違い
- Apps in ChatGPT:0→1の生成。新しい図を作るのが得意。
- FigJam AI:1→10の整理・拡張。既にある図/付箋を整理したり、アイデアを横展開するのに強い。
例:ChatGPT連携でマインドマップ生成→FigJam AIでタスク分解、という流れも相性◎です。
他のAI図解ツールとの比較
- Mermaid記法:テキストベースで図を書けるが、非デザイナーにはやや敷居が高め。
- draw.io連携:使えるけど、共同編集やUIの洗練度ではFigmaに劣る部分あり。
Figma連携の大きな強みは、生成した後の「編集・共同作業がそのままできる」点です。これは特にチームで作業する際に大きなメリットです。
よくある質問(FAQ)
Q1. ChatGPTの無料プランでも使えますか?
はい、無料プランからでも基本的な図の生成機能を試せます(Figma無料プランとの組み合わせでOK)。
Q2. 日本語でも利用できますか?
はい、日本語での指示も可能です。ただ、英語より解釈精度が若干劣るケースがあるため、シンプルで明確な日本語を使うか、簡単な英語を試すことをおすすめします。
Q3. 生成した図の商用利用は可能ですか?
基本的にはユーザーが作成したコンテンツの帰属は自分にありますが、AI生成コンテンツの著作権/利用条件については、OpenAIおよびFigmaの最新利用規約を必ず確認してください。
Q4. Figmaのアカウントは必須ですか?
はい、図を編集・保存するにはFigmaアカウント(無料)を用意してください。連携時にFigma側の認証が必要になります。
Q5. スマホでも利用できますか?
はい、ChatGPTのスマートフォンアプリ(iOS/Android)からでもFigma連携可能です。PCと同様の操作ができます。
Q6. 生成した図を編集するにはFigmaの知識が必要ですか?
基本的なテキスト修正・図形移動なら直感的に操作可能なので大丈夫ですが、色変更・複雑なデザイン調整などを行いたい場合は、Figmaの基本操作を少し学んでおくとスムーズです。
まとめ:ChatGPT×Figma連携で図解作成を“次の次元”へ
本記事では、ChatGPTの新機能「Apps in ChatGPT」を活用したFigma連携について、その基本から設定、使い方、活用事例までを丁寧に紹介しました。
押さえておきたいポイント
- ChatGPTと会話するだけで図を自動生成できる時代へ。
- 連携設定は簡単で、無料プランでも試せる。
- 図解作成の時間を劇的に短縮し、デザインスキルがなくても“見栄え”を実現。
- 幅広い職種・シーンで活用可能。
- AI生成とFigma編集の両方を活かすことで、最速かつ最適なアウトプットが手に入る。
この連携機能は、あなたの「図を作る」作業を、単なる“作業”から“戦略的な思考の場”へ変えるポテンシャルを秘めています。
これまで図解作成に苦手意識を持っていた人も、ぜひこの機会にChatGPT×Figmaの連携を試し、その可能性を体感してみてください。まずは簡単なフローチャートから。あなたの業務に、新たな“効率化の波”を起こしましょう。
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