Google Workspace Studio は、Google Workspace のアプリ群(Gmail、Drive、カレンダー、Chat、Docs、Sheets など)を AI で自動化するための ノーコード AI エージェント構築プラットフォームです。Google の生成 AI モデル Gemini 3 を中核とし、誰でも自然言語でワークフロー(エージェント)を作成・実行・共有できる点が最大の特徴です。この記事ではGoogle Workspace Studioの使い方について解説していきます。
Workspace Studio とは?
製品概要
Google Workspace Studio は、Gmail や Google Drive、カレンダー、Chat など Google Workspace 内のサービスを跨いで業務処理を自動化するためのツールです。コーディング不要で、自然言語やテンプレートを使うだけで AI が業務フロー(エージェント)を設計します。Gemini 3 の推論・文脈理解能力によって、複雑な条件判断や複数ステップの処理を自動化できるのが特徴です。
Workspace Studio は「Google Workspace Flows」の後継として 2025 年 12 月に一般提供が開始され、Business や Enterprise、Education 向けプランで利用可能になります。
なぜ注目されているのか?
従来の自動化ツールでは「トリガー→アクション」という静的なルールを作る必要があり、複雑な判断は実装が難しい点がネックでした。Workspace Studio では Gemini 3 の AI が自動で文脈を理解し、以下のような「賢い判断」を自動化フローの中に取り込めます:
- メールの重要度判定と自動返信内容のドラフト
- 会議内容に基づくアクションアイテム抽出
- チャットやドキュメントの内容分析と通知
- スプレッドシートの更新内容に応じた連携処理
※ 特殊な構文やコードは不要です。
Google Workspace Studioの使い方
自然言語によるフローの作成
Workspace Studio では、実現したい処理を自然言語で入力するだけでワークフローを生成できます。たとえば次のように書くだけで AI が構造化されたフローを作成します:
未読メールを毎朝 9 時に要約し、重要メールは Chat に通知してください。
これだけで AI がトリガーと各ステップを自動生成します。
テンプレートを選択して早く始めることもでき、カスタマイズも GUI で直感的に行えます。
スターター(トリガー)とステップ
フローは大きく二つのパーツで構成されます:
- スターター(トリガー)
何をきっかけにフローを起動するかを指定します。
例:特定のメールの受信、カレンダーの日時、ファイル追加など。 - ステップ(アクション)
実行したい処理や Gemini を使った判断・生成を順番に定義します。
例:要約、ラベル付け、通知、ドキュメント更新など。
フロー内で変数を使い、前のステップの結果を次のステップに活かすこともできます。
テンプレートとカスタマイズ
Workspace Studio にはよく使われる自動化テンプレートが用意されています。これらはそのまま使うことも、必要に応じて条件やタイミングを変更することも可能です。テンプレート例には以下があります:
- 未読メールの要約配信
- メール内容でタスク生成
- フォーム回答の自動返信と通知
- 会議前の情報整理と配信
- スプレッドシートの条件更新の自動アクション
※ サードパーティ連携テンプレートもあります。
外部サービスとの連携
Workspace Studio は Gmail や Drive 以外にも、Asana、Jira、Mailchimp、Salesforce などの外部クラウドサービスとの連携が可能です。Webhook やカスタムステップ(Apps Script)の組み込みにより、より高度で柔軟な統合が実現できます。
利用開始と操作の流れ
アクセスと有効化
管理者は Google Workspace の管理コンソールから Workspace Studio をオンにする必要があります。必要なプランや AI 機能の有効化は、管理者向けドキュメントに従って設定します。
ユーザーは Web ブラウザで studio.workspace.google.com にアクセスし、ログインして利用できます。また Gmail や Chat のサイドパネルから直接起動することも可能です。
初めてのフロー作成
基本的な流れは次の通りです:
- Workspace Studio を開く
- Discover(テンプレート一覧)からテンプレートを選択、または自然言語で依頼文を入力
- フローが自動生成されるので、必要に応じてステップを編集
- テスト実行で動作を確認
- 有効化して自動化を開始
自然言語作成とテンプレート活用により、数分で実用的な自動化フローを作ることができます。
実際の活用シーンとユースケース
Workspace Studio を使うと、幅広いシーンで業務の効率化が実現します。以下は代表的なユースケース例です。
スマートなメール管理
Workspace Studio の AI エージェントは、受信メールを内容に応じて解析し、「返信必要」「要対応」など分類して通知できます。長いメールスレッドから重要ポイントの要約や TODO 抽出も可能です。
会議の自動サポート
会議前に関連資料やアジェンダを要約して通知したり、会議後にアクションアイテムをリスト化して共有するフローを作成できます。これにより会議の準備・フォローアップを大幅に効率化します。
タスク管理の自動化
Gmail や Chat の内容を解析して、自動的に Tasks、Asana、Jira などにタスク生成するフローを構築できます。これにより人手での転記作業が不要になります。
レポート生成と通知
定期レポートの生成やチームへの通知を自動化できます。たとえば「毎朝 8 時に前日の未読メール概要をまとめて自分に送る」といったフローは、テンプレートを選んで設定するだけで実現できます。
運用・管理上の注意点
Workspace Studio のフローはユーザーの権限で各アプリにアクセスして実行されます。そのため、権限や実行範囲の制御、監査ログの管理が重要になります。特に機密情報へのアクセスや誤った大量実行が発生しないよう、管理者は監査と権限設計を慎重に行う必要があります。
管理者は Workspace Studio の機能を OU(組織単位)ごとに制御したり、AI(Gemini)アクセスのオン/オフを設定することができます。
今後の展望
Google Workspace Studio はまだ提供が広がる段階ですが、すでに一般提供が始まり、多数の業務で活用が進んでいます。初期利用者は数千万件規模のタスクを AI エージェントで処理しており、リマインダー、要約、通知、レポート生成などの自動化で高い効果を報告しています。
今後はカスタム連携やセキュリティ統合、エンタープライズ向けガバナンス機能の強化が進むと見られ、業務自動化の主流プラットフォームとしての役割を果たしていくでしょう。

