Copilotのコネクタ機能とは?特徴・使い方・活用事例を徹底解説

Copilotのコネクタ機能とは?特徴・使い方・活用事例を徹底解説

Microsoft Copilotを業務に入れた瞬間、最初は感動します。要約が早い、文章が整う、会議の棚卸しが楽になる。ところが次の週になると、現場からこう言われます。

「それ、うちの社内システムの情報も見られるの?」
「結局、SharePointにないデータは答えられないんだよね?」

ここで出てくる答えが、Copilotのコネクタ機能です。コネクタは、Copilotを汎用AIから「自社の仕事を理解するAI」に変えるための技術基盤です。

目次

Copilotのコネクタ機能とは?

Copilotのコネクタ機能は、外部サービスや社内システムのデータをCopilotが参照または操作できるようにする仕組みです。ポイントは「つなぐ」だけではなく、つなぎ方が2種類あることです。

  • Microsoft Graph コネクタ:外部データをインデックス化して「探せる・引ける」状態にする
  • Power Platform コネクタ:APIを呼び出して「最新を取りに行く・更新する」状態にする

この2つは競合ではなく、用途が違います。ここを混ぜると設計が崩れます。

まず理解したい結論|コネクタは「知る」と「行う」を分けて設計する

Copilotのコネクタ戦略は、端的にこう整理できます。

  • 「知る(Retrieve)」:社内の知識や資料を広く見つけたい → Graph コネクタ
  • 「行う(Act)」:申請する、更新する、照会するなど処理したい → Power Platform コネクタ

たとえば「社内規程は?」は前者です。たとえば「チケットの優先度を上げて」は後者です。

2種類のコネクタを比較

比較項目Microsoft Graph コネクタPower Platform コネクタ
主な役割ナレッジ検索・参照リアルタイム取得・操作
方式非同期・インデックス型同期・API型
強み意味検索、横断検索、全社ナレッジ最新データ、CRUD、業務アクション
弱み反映にラグがあるAPI品質・設計に依存、ライセンスが複雑になりやすい
オンプレ接続Graph Connector Agent(GCA)On-premises Data Gateway(OPDG)

Microsoft Graph コネクタの特徴

特徴1:外部データを「Copilotが探せる知識」に変える

Graph コネクタは外部データをMicrosoft Searchのインデックスに取り込みます。ここに入ったデータは、Copilotの検索フェーズで候補として扱われます。

特徴2:セマンティック検索(意味検索)が効く

キーワード一致だけでなく、「近い意味」でも引けるのがポイントです。資料名を覚えていなくても「先期の予算の要点」みたいな聞き方で拾える確率が上がります。

特徴3:権限(ACL)を維持する設計が基本

外部システムのアクセス権を取り込み、ユーザーの権限に応じて見せるものを絞る仕組みが前提です。ここで鍵になるのがIDマッピングです。外部IDとEntra IDが正しく紐付かないと「見えるべきものが見えない」か「見えてはいけないものが見える」が起きます。

Power Platform コネクタの特徴

特徴1:Copilotに「手足」を与える

Power Platform コネクタは、外部APIを実行して結果を返せます。参照だけでなく更新もできるので、Copilotを“業務の実行レイヤー”に近づけます。

特徴2:リアルタイムで最新データに触れられる

Graphコネクタが「インデックスに反映されるまで待つ」のに対して、こちらは「今の在庫」「今のチケット状況」「今の承認ステータス」などを取りに行けます。

特徴3:LLMが迷わないための定義が重要

API定義(OpenAPI)やアクション説明文の品質が、Copilotの判断精度を左右します。雑な説明のアクションを大量に作ると、Copilotがツール選択を誤りやすくなります。

使い方の基本|実装戦略の決め方

ステップ1:データを「静的ナレッジ」と「動的トランザクション」に分ける

  • 静的ナレッジ:規程、手順書、議事録、設計書、提案書、FAQ
  • 動的トランザクション:チケット、申請、在庫、注文、顧客ステータス、工数

ステップ2:「検索で答えたい」か「操作して完了したい」か決める

  • 検索で十分 → Graph コネクタ
  • 操作が必要 → Power Platform コネクタ
  • 両方いる → ハイブリッド

ステップ3:ガバナンスを先に敷く

「とりあえず繋いで便利に」から入ると、情報露出とシャドーITで詰みます。コネクタを誰が作り、誰が使い、誰が棚卸しするかを最初に決めると後が楽です。

活用事例|「知る」を強くする(Graphコネクタ中心)

事例1:社内規程・ルールの問い合わせ削減

社員が「経費精算の例外条件は?」と聞いたときに、規程とQ&Aと過去通達を横断して要点を返せるようになります。担当部門の“説明工数”を削る用途として再現性が高いです。

事例2:設計書・仕様書の横断検索でレビュー高速化

「この仕様、過去のプロジェクトで似た議論あった?」に答えるには、複数の設計書や議事録にまたがる探索が必要です。Graphコネクタでインデックス化しておくと、Copilotが関連資料を引きやすくなります。

事例3:マルチクラウドの資料サイロ解消

Google DriveやBoxなどに散った資料を「探せる状態」に寄せることで、ファイルの所在に依存した属人性が減ります。ここで初めて、Copilotが“全社の知識にアクセスしている感”を出せます。

活用事例|「行う」を強くする(Power Platformコネクタ中心)

事例4:ITヘルプデスクのチケット操作

「チケット123の状況を確認して」「優先度を高に変更して」「担当者をAさんに変更して」のように、参照と更新がセットになった業務で効果が出ます。

事例5:申請・承認の自動化

「この稟議を起票して」「承認者にリマインドして」「必要書類が揃っているかチェックして」のように、手順が決まっている業務ほど、アクション化の価値が高いです。

事例6:CRMの最新状況を取り込んだ営業支援

「顧客X社の最新商談状況と次アクション案をまとめて」のように、構造化データをリアルタイムに引きつつ、文章生成で整理する使い方がハマります。

活用事例|ハイブリッドが最も強いケース

事例7:営業の“提案前夜”を短縮する

Graphコネクタで「過去提案書・導入事例・議事録」を引き当て、Power Platformで「CRMの最新状況・契約条件・商談ステージ」を取得します。これをCopilotが統合すると、提案準備の「探す→整理する→意思決定する」が一気に短縮されます。

導入でハマりやすい注意点

注意点1:IDマッピングを甘く見ない

権限が正しく反映されないと、セキュリティ事故か、検索できない不満か、どちらかが起きます。最初は対象範囲を絞って検証する方が安全です。

注意点2:コネクタを増やしすぎると精度が落ちる

“使えるツール”が増えすぎると、Copilotのツール選択が難しくなります。価値が出る業務に絞って増やすのが正解です。

注意点3:オンプレ連携のエージェントを混同しない

GraphコネクタはGCA、Power PlatformはOPDGです。似ているようで別物なので、プロジェクト管理上の典型的な落とし穴になります。

まとめ|コネクタは「AI導入」ではなく「業務設計」の話

単に外部データを繋ぐための仕掛けではありません。どの知識を、どの鮮度で、誰の権限で、どの業務に組み込み、最終的に何を自動化するのかを決めるための設計基盤です。

Copilotを“便利なチャット”で終わらせないために、まずはこう考えるのが現実的です。

  • 探す仕事を減らすなら Graph コネクタ
  • 実行する仕事を減らすなら Power Platform コネクタ
  • 本気で業務変革するなら ハイブリッド
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