n8n(エヌエイトエヌ)の費用は分かりにくいと感じている方は多いのではないでしょうか。
「無料で使えると聞いたが本当なのか」「クラウド版はいくらかかるのか」「ZapierやMakeと比べて安いのか」「企業利用の場合は結局いくら必要なのか」といった疑問で検索されるケースが大半です。
本記事では、n8nの費用体系について、料金表・利用シナリオ・総保有コスト(TCO)の観点から、実務に役立つ形で整理して解説します。
n8nの費用体系は大きく2種類に分かれます
n8nの費用を理解するうえで、まず押さえておくべき点は、利用形態が次の2つに分かれていることです。
- n8n Cloud(クラウド版)
- セルフホスト版(自社サーバー運用)
この2つは費用の発生構造がまったく異なるため、ここを混同すると判断を誤りやすくなります。
n8n Cloudの料金プランと費用感
クラウド版は「実行回数ベース課金」です
n8n Cloudでは、ワークフローの実行回数(Execution) を基準に課金されます。
ステップ数が多い場合やループ処理が含まれる場合でも、ワークフローが最初から最後まで一度動けば1実行としてカウントされます。
この仕組みは、他の自動化ツールとは大きく異なる特徴です。
n8n Cloudの料金一覧(2026年時点)
| プラン | 月額費用(年払い) | 月間実行数 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Starter | €20 | 2,500回 | 個人利用・検証 |
| Pro | €50 | 10,000回 | 小規模チーム |
| Business | €667 | 40,000回 | 企業利用(SSO必須) |
費用対効果の観点では、Proプランが最もバランスが良い選択肢です。
Businessプランは実行回数の増加というよりも、SSOや権限管理、ガバナンス機能に対する料金と理解すると整理しやすくなります。
n8nは本当に無料で使えるのか
結論としては、条件付きで無料と言えます。
セルフホスト版(Community Edition)はライセンス費用が不要です
- ライセンス費用:無料
- 実行回数制限:なし
- ワークフロー数:無制限
このため、「n8nは無料ツール」という認識が広まっています。
ただしインフラ費用と運用コストは発生します
セルフホストの場合、以下の費用は自社で負担する必要があります。
- サーバー費用(VPS、AWS、GCPなど)
- データベース費用(PostgreSQL推奨)
- 運用・保守にかかる工数
現実的な月額コストの目安
| 利用規模 | 月額コスト目安 |
|---|---|
| 学習・検証用途 | 約1,000円 |
| 業務利用 | 約7,000〜15,000円 |
| 高可用性構成 | 30,000円以上 |
セルフホストは金額面よりも、運用を担える人材や体制があるかどうかが重要な判断ポイントになります。
n8nの費用は高いのか。他ツールとの比較
Zapier・Makeとの違い
| 項目 | n8n | Zapier | Make |
|---|---|---|---|
| 課金単位 | 実行回数 | タスク数 | オペレーション数 |
| ループ処理 | 追加費用なし | 高コスト | 高コスト |
| セルフホスト | 可能 | 不可 | 不可 |
| 複雑な処理 | 非常に得意 | 苦手 | 中程度 |
単純な通知や少量の連携であればZapierの方が手軽な場合もありますが、業務ロジックが複雑になるほどn8nの費用対効果は高くなります。
企業利用におけるn8n費用の考え方
SSOが必須な場合の注意点
- クラウド版:Businessプランが必要
- セルフホスト版:BusinessまたはEnterprise契約が必要
この点は「セルフホストすれば完全に無料で使える」という誤解が生じやすいポイントです。
よくある選択パターン
- 小規模チーム:Cloud Proプラン
- DevOps体制のある企業:セルフホスト Community Edition
- セキュリティ要件が厳しい企業:Cloud Businessプラン
n8nの費用が向いているケースと向いていないケース
n8nが向いているケース
- 業務フローが複雑である
- 処理データ量が多い
- SaaSの従量課金が高額になっている
- AI処理を業務自動化に組み込みたい
n8nが向いていないケース
- 単純な通知のみを行いたい
- IT運用リソースがほとんどない
- とにかく操作の簡単さを最優先したい
まとめ:n8nの費用は「安さ」ではなく「設計思想」で決まります
n8nの費用は、使い方によって非常に安くもなり、場合によっては割高にもなります。
重要なのは、実行回数が増える設計なのか、ステップ数が増える設計なのか、自社で運用できる体制があるのか、この3点を事前に整理することです。
n8nは、複雑な業務を柔軟かつ持続的なコストで自動化したい組織にとって、非常に強力な選択肢となります。

